点滴は看護師として活躍するための登竜門

看護師にとって、点滴は検温や血圧測定などのバイタルチェックと同様に、実施する機会が多い業務です。看護師には、医療の中で患者が安楽に病気や不調と向き合うことができるように、生活を整えるという役割があります。そのため、普段の生活で継続して薬剤の投与が必要となる患者に対しては、点滴を行うことが頻繁にあります。

しかし、看護師の中には、点滴の挿入(ルート確保)が苦手だという人も少なくないようです。静脈注射ならば、先輩の腕を借りて練習することができますが、点滴は薬液が持続的に注入されるため、先輩の腕で頻繁に練習することは難しくなります。そのため、ルート確保の練習機会に恵まれず、つい医師や先輩看護師に任せてしまうという人もいます。看護大学では、指導教官のもとでルート確保の実習を行いますが、模型人形と実際の人間では全く違うため、臨床現場に出てからの経験は欠かせません。とはいえ、生身の人間は一人ひとり肌の弾力や血管の弾力、血管の見え方が違うため、苦戦することも多いと言われています。過去に、看護師に注射をされたときに失敗をされた経験のある方は、こういったことが原因になっているのです。

慣れないうちは、「人に針を刺すなんてとんでもない」と考えるかもしれないが、患者の状態を維持していくためには、点滴は大変重要な業務の一つである。看護師にとって点滴は、創傷部位の処置や静脈注射とともに基本的な業務になるため、大学での実習も含めてしっかり学ぶようにしましょう。根気よく真面目にきちんと練習すれば、習得はそれほど難しくはないと思います。